(▲色鉛筆を重ねることによって描写した石)

これまで私は絵を描く際、色彩を軸に制作する事が多かったのですが、絵の具や色鉛筆などの顔料や、CMYKの印刷物

などで表現していたため、必然的に減法混色的表現にとどまっていました。しかし今日、私たちの身の回りのパソコン

やテレビ、携帯電話などのデジタル機器は、光の三原色であるRGBを用いたデジタル画面が多く用いられています。


 

  

                                               (▲1.加法混色。色を重ねるほど明るくなる。) 

 

コンピュータとモニターが発達した今日、人間の視覚の構造とより近い加法混色によって画像をみることが一般化しました。

しかし現在でも絵画などは減法混色によってかかれる事が一般的です。私は現在多くの分野で使われているコンピュータと

モニターを使ってRGB加法混色による全く新しい描画方法を研究の対象としグラフィックの表現領域を広げることを試みました。

 

 

                                (▲上の、” 1.加法混色 ” のRGBカラーを重ねることのみで作成したカラーシステム。) 

 

 

現在、パソコン上で絵を描く際、様々なソフトが開発され、簡単に減法混色や加法混色で絵を描くことが出来るので

RGBが基本色であることも強くは意識させません。私は、パソコンで描かれる画像が全てRGBで出来上がっている

ことを確認するために、RGBの細い線の密度による濃淡を作り出しこれらを重ね合わせることによって、6色相126色

からなるRGBカラーシステムを制作しました。

 

 

 

                                          

                                     (▲1200dpi 1pix でカラスを描写する際の、Photoshopの画面の再現) 

 

ここで制作したカラーシステムの色彩を参考にし、まず最初に、従来のアナログシステムでは表現する事が難しい

1px1200dpiのとても細い線で絵を描き始めました。

今後、この描法が広がれば、屋外の光を体感しながらRGBで光を描く事で、より的確な光の表現が可能になると考えられます。